はつこい文庫

ゆるいブログです

2020-01-01から1年間の記事一覧

迷いはなにも

さよならじゃなくてまたね、って言ってね。 たとえそれがさよならであったとしても。 新作のレースブラウスは、手持ちのスウェットと合わせるといい感じに馴染んで鏡の前で嬉しくなる。きらり光った右手のブレスレットは、黒いわたしのお守り。リップをひと…

それは確かに恋だった

親愛なるアイドルへ ご卒業おめでとうございます。本当ならばめいっぱい観客のいる会場で、たくさんの人たちに見送られ、自分の色に染まった会場を見て欲しかったのに、それが叶えられなかったことだけがただただ残念でなりませんが、卒業コンサートを実施す…

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もしも僕じゃなかったら もしも君じゃなかったら こんな気持ちさえ知らずにいたね (僕らの戦場/ ワルキューレ) 高校生の途中から図書室に通い詰めになっていたのは、居場所だった保健室に嫌いな女の子が居座るようになったからだった。誰でも来れるというの…

自覚してない恋心とか

いつか、誰かの特別になれると信じていた。 いつまでも輝き続けられると信じていた。 黒髪だった君が髪を染めて現れたとき、さゆりちゃんは少し目を丸くしたあと「髪染めたんだね」と笑った。セーラー服の白がまぶしく感じる夏の日のことだった。席替えで窓…

夏の思い出

ビー玉のついたヘアゴム 揺れる先をいつも見ていた 黙ってお揃いのものを買ったけど、 僕は君にはなれない そんなこと最初から分かっていた 真っ白なワンピースから覗いた か弱いサテンリボンの先を僕は知らない いつだって君は僕の手の中をすり抜ける 今日…

ねえ、わらって

手に入らない人をずっとずっとすきでいるのは楽ちんで、でも叶うことだけが恋ではなくて。ゴールがない恋は、終わることがないぶん幾分かずっとしあわせだ。恋をしている。叶わない恋をずっとしている。 わたしは心のなかで君を殺したり生かしたりできる。君…

まばたき

この世にいないからいつまでも側にいてくれる。この世にいるからいつかは去ってしまう。こんな思いをするのならばすきにならなければよかった。君と一緒じゃなきゃみれない景色があった。君を通していまのわたしができた。どれが正しいかなんてわからないけ…

Dear my innocence

ずっと一緒にいてくれるのだと心のどこかで思い込んでいた。それは正解であり間違いだった。CDの中にいる君は紛れもなくあの日すきになった君でこれからもずっとわたしと一緒にいてくれるけど、現実世界の君はアイドルを辞める。ずっと一緒にはいてくれない…